以前、高齢者の話で昔は不祝儀袋はお葬式があるたびに購入していたと言っていました。しかしながら、便利な世の中になり、予め不祝儀袋をまとめて買っておき、それを使うようになってしまったということに、その高齢者は嘆いておられました。
以前はできていた心配りを、日本人ができなくなってしまったということの現れです。実際、お通夜などのお葬式の場面では、不祝儀袋を用意する必要がありますが、最近ではコンビニでも10枚セットで販売されていることがほとんどです。
一枚のバラ売りを見かけることが少なくなり、利便性からついまとめて不祝儀袋を買って常備する癖がついてしまったことは、ある意味でなげかわしいことです。葬儀での香典に関しては、ふくさで包むことが一般的にはマナーであると考えられています。
しかしながら、若い人の場合、ふくさそのものを所持しておらず、むき出しのままで葬儀に持参する人も増えているようです。ほんのちょっとの気配りが現代の葬儀ではおざなりにされてしまっているということは、否定できない事実です。葬儀も簡略化が著しい時代になりましたが、簡略化ばかりが良いわけではありません。守るべきことは、守る必要があります。